Garmin eTrex 30xJ / BaseCamp でのOpen Street Mapの使用方法

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いつも使っている Garmin のGPSレシーバー eTrex とGarmin BaseCamp での Open Street Map の使用方法をまとめてみました

2-3ヶ月に一度は行っているOpen Street Mapの更新で、実際に行っている作業を自分のためも含めて、まとめておくことにしました。

Garmin GPSでの地図

現在使用している我が家で4代目のGarmin ハンディGPS、Garmin eTrex 30xJ。内部の地図は正規品として「日本詳細地形図2500/25000」2020年度版がインストールされています。バージョンは「Japan Topo 10M Plus V2.01」です。

この地図は10m(最大5m)等高線入りの地形図データで、登山道なども表示されているので、これはこれで十分便利です。

右の画像の左側の赤い破線が登山道表示。

登山道をポイントすると、右側の画像のように登山道が黄色になり、登山道の情報が表示されます。

[Japan TOPO での登山道表示]

Open Street Map

しかし、地図はなまもの。どんどん情報は変化します。山間部での変化は大きくないですが、町の周りでは1年でかなり変わります。

特に、大きく変わるのが、新しい有料道路の開通です。カーナビ以外のGPS機器用にGarminの提供する地図ではこの変化についていくのは難しいです。

このため、最新の地図をGarminで活用するにはOpen Street Map (OSMと略す) の利用が重要です。
幸い、GarminのGPSでは、外部の地図をインストールして使うことができます。

Open Street Map の詳細については外部のサイトを参照してください。一言で言えば「世界中の有志で作っている無料の地図」です。

ありがたいことに以下の「すけログ」さんのサイトでは無料でGarmin GPS用の日本全土のOSM地図を提供してくれています。

 

更新は数ヶ月おきといったところでしょうか。今日現在では2022年8月に最新版が提供されています。前回は2022年5月だったので、3ヶ月後の更新です。
この頻度の更新であれば、新しい道路には問題なく対応できています。また、この地図はルーティング可能になっているので、カーナビ同様にルート検索もできます。

この場を借りて、この地図を提供していただいている「すけログ」さんのサイトに感謝したいと思います。ありがとうございます!

Garmin GPSへのOSMのインストール

ファイルのダウンロードと解凍

上記のサイトではいろいろな種類のダウンロードファイルがあるので最初は少し戸惑うかもしれません。
以下は私のGarmin eTrex 30xJ (正規日本語版)用のインストール方法の説明です。

まず、

  • 上記サイトの地図データのダウンロードに進み、
  • 次に(1)統合地図(道路情報+等高線+DEMの全部入りバージョン)に進みます
  • 更に複数のファイルが提供されているので、DEM10バージョンShift-JISというファイル

を選んでダウンロードします。

ダウンロードしたファイルは、現在は7-zipで圧縮されているので解凍すると、
gmapsupp-JAPAN-OSM-with-contour-DEM10-sjis.img_yyyy-mm-dd.img

という拡張子「img」のファイルが出てきます。これがOSMファイルの本体です。

microSDカードへのコピー

このファイルをGarminで使用しているmicroSDカードのルートにそのままコピーすれば使えます。ただ、このファイル名は非常に長いので、私は”Japan-OSM-yyyymmdd.img” のようにファイル名を変更してからコピーしてます。

現時点で2.71GBの大きさのファイルなので、もちろん microSDカードにそれだけの余裕が無いとコピーはできません。

Garmin GPSでの使用開始の設定

ファイルのコピーが終わったmicroSDカードをGarmin GPSにセットして、Garminの電源を入れます。

この時に注意して欲しいのは、新しい地図をインストールしたGPSの初回の立ち上げには時間がかかります。何がされているのかは不明ですがなんらかの初期化のようです。
GPSが固まったと思わずに、コーヒーでも飲んで気長に待つことが必要となります。慌てて、電源を切ったりしないように!2回目以降はこれほど立ち上げに時間はかかりません。

Garmin GPSが立ちあがったら、マップの「地図設定」画面で「地図選択」に進みます。

地図選択で左側画像のように”JAPAN-OSM-xxxx”と表示されていれば、無事インストールしたOSM地図が認識されたことになります。

この地図は「無効」になっているので、クリックして「有効」に変更(右側画像)すればOSM地図 が優先的に使えるようになっています。

経験上、他の地図が有効になっていても、OSM地図は優先的に使われるようです。

OSM の表示の確認

右の2つの画像はほぼ同じ地点を「Japan TOPO」で表示した場合(左側)と「OSM」で表示した場合(右側)の例。

「Japan TOPO」では等高線以外には何も無い斜面ですが、「OSM地図」を有効にして地図表示を切り替えると、最近開通した「中部横断自動車道」の「下部温泉早川IC」が表示されています(切替えを少し待ちます)。

これで、Garmin での OSM地図が問題なく使えることが確認できました。

BaseCampへのOSMのインストール

Garmin GPS への本体へのOSMのインストールが済んだら、次にはGarmin GPS用のPC用純正ソフトウェアである「BaseCamp」へもインストールして、プランや記録整理にもGarmin GPSと同じ地図を使いたいと普通は考えると思います。

BaseCamp使用時、PCにGarmin GPSを接続すればGarmin GPSにインストールされている地図を利用することはできますが、BaseCampを使う時に必ずGarmin GPSを接続するのは面倒だし、Garmin GPSを認識するまでしばらく待たされます。
PC側にOSM地図がインストールされていれず、BaseCampの使い勝手はぐっと良くなります。

上記の「すけログ」さんのサイトでもBaseCamp用のファイルのダウンロードも提供しています。しかし、こちらのファイルは更新はほとんどされないので、あまり意味がありません。

ここでは、Garmin GPS への本体用にダウンロードしたファイルを利用してBaseCampにインストールし、Garmin GPS本体とPCで同じOSM地図を使用する方法を説明します。

なお、この部分については以下の「シルクロード雑学大学」さんのサイトの情報を元にWindows 10用に説明します。

 

必要なソフトのダウンロード

BaseCampにOSM地図をインストールするには、以下の3つのFreewareが必要となります。

それぞれのFreewareを別途ダウンロードすします。なお、以下には cGPSmapper 以外のダウンロード先のリンクも張ってありますが、あくまで自己責任でダウンロードしてください。また個々のFreewareのインストールについてもここでは説明は省略します。

[BaseCamp用ファイルの作成・登録ためのメインのツール]

(※MapSetToolKitの現在の最新バージョンのファイルは「MapSetToolKit_v1.77.zip」)

[MapSetToolKitから呼び出される2つのツール]

(※GMapToolの現在の最新バージョンのファイルは「gmaptoolsetup0973.exe」)

cGPSmapper については、直接ダウンロードできるサイトは現在、公開されていません。しかし、別のダウンロード方法が以下の「シルクロード雑学大学」さんのページで紹介されていますので、それを参考にダウンロードしてください。すこしややこしいですが、気をつけてダウンロード、インストールしてください。

Download/Install/cGPSmapper

MapSetToolKit での設定と実行

3つのFreewareがPCにインストールできたら、「MapSetToolKit」を使用してOSM地図を「BaseCamp」にインストールすることができます。

MapSetToolKit – 2つのFreewareのインストール場所の設定

MapSetToolKitを立ち上げると上のような画面が表示されます。

①の部分は現在使用中のBaseCampの地図一覧が表示されています。
私の場合には、7つの地図が既にインストールされているのが分かります。ただし、この一覧はGarminの旧地図SoftwareであるMapsourceと兼用になっています。
この①の部分で大事なのは「FID」という項目だけです。これは「Family ID」の略で、この後の”OUTPUT”の設定で「FID」を参照することを覚えておいてください。

②の部分は初めてMapSetToolKitを立ち上げる場合にはブランクになっています。MapSetToolKitから呼び出される2つのFreewareのインストール場所の設定です。赤丸で囲ったボタンをクリックして、インストールした場所を設定します。この部分は一度設定すれば設定は保存され、次回に設定する必要はありません。

MapSetToolKit – “INPUT”の指定

次に設定するのは”INPUT”の部分です。BaseCampにインストールする元のOSM地図を指定します。このOSMファイルはGarmin GPSにインストールしたファイルと同じものです。

「Source IMG files:」でインストールするOSM地図が入っている(1)フォルダーを指定して、(2)フォルダー内の対象OSM地図ファイルを選び、(3)「Add–>」ボタンを押して「Selected IMG files:」に登録します。

選択するOSM地図ファイルのファイル名は8文字以下にする必要があることに注意が必要です。ファイル名がもっと長い名前の場合には、ファイル名を短いものに変更しておく必要があります。

MapSetToolKit – “OUTPUT”の指定と実行

次には作成する”OUTPUT”の指定です。

MapSetToolKit は”INPUT”のファイルを読み込んで、”OUTPUT”のフォルダーに複数のファイルを作成し、それをBaseCampに登録するという動きをします。

①は作成する”OUTPUT”ファイルのフォルダーを用意し、そのフォルダー名を「Mapset directory」に指定します。
「Mapset name:」にはBaseCampで表示する際の”地図名”を指定します。この地図名は自由に設定して構いません。

②上でも紹介した「FID」に注目します。上の例では「FID」は「2155」、「2177」そして「3」の3つの「FID」が使用済みであることを確認します。

③この「Family ID」はFIDのことであり、これから新たに作成するBaseCampのOSM地図に割り振るIDを指定します。この際に上で確認した「使用済みで無い任意の番号」を指定します。上の例では「4」は使用されていないので「4」を指定しています。

ここまでで画面上の指定は完了です。

④最後に「Install in Mapsource:」のチェックボックスに必ずチェックを入れ、⑤のスタートボタンを押すとBaseCamp登録用のOSM地図の作成が始まります。
しばらくして「Convert Completed」とポップアップが出ればBaseCampへのインストールは完了です。

MapSetToolKit – BaseCamp での確認

BaseCampを立ち上げてみると、地図選択にOSM地図が選択できるようになっていることが確認できます。

これでBaseCampでもGarmin GPSと同じOSM地図を利用することができるようになっています。